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6/29設立イベントアンケートまとめ- お知らせ

6/29設立イベントアンケートまとめ
「人材育成/雇用環境整備に関して、現在問題・課題だと思われていることはありますか?」

 

 6月29日に行われたExplat設立イベントにて、ご来場いただいた皆様にアンケートを実施いたしました。ご回答いただいた皆様、誠にありがとうございました。 その中の「人材育成/雇用環境整備に関して、現在問題・課題だと思われていることはありますか?」という設問に対しては、特に多様なご意見が寄せられました。

 このアンケートに書かれた生の声、つまり「現場の人達が現在進行形で感じている問題点」を整理してここに公開いたします。(文章は誤字の修正以外はお寄せいただいたままのものを掲載しております。)現場の制作者が現在進行形で感じている問題を「見える化する」こと、そして様々な人たちとこれを共有し、議論すること、これが問題に取り組むためのまず第一歩だとExplatは考えます。

 回答の整理にあたっては、寄せられたご意見を「雇用、人材募集について」「労働環境について」「キャリア形成について」「職能・専門性について」「業界内ネットワークについて」「行政・自治体との関係性について」「その他」に区分しました。整理してみると、その方が所属している組織や立場によって、同じカテゴリー内でも対照的な意見が寄せられているケースもあります。また、「~されがち」「~の傾向がある」「~の可能性がある」というご指摘に関しては、「現場が感じているその傾向は、実際にそうなのか」を、Explatが今後様々な調査で検証していきたいと思います。また、各カテゴリーで挙げられた問題点に対し、Explatがこれから取り組んでいくことも併せて記載いたました。

    【雇用、人材募集について】

  • 経験者優遇で、新卒での採用がほとんどない
  • 採用に関するルールが守られていない(家族構成を書かせるなど)
  • 求人の期間が短すぎていい人材が入ってこない
  • 行政系財団では、組織運営を行う職員(行政職員)自体が3年程度で現場を離れるため、雇用問題に真剣に労力を費やして取り組まない。危機感の欠如。
  • 職種によっては、内容に魅力的な側面が多い事などを理由に、低報酬でも希望者が集まり、求人可能と思われがち。

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒求人/求職情報の掲載時には内容を確認し、労働基準法等に抵触するものに関しては、是正を依頼します。
⇒ファースト・キャリアへ向けた就労スキルの訓練や、劇場等のインターンシップ紹介を行い、新卒者・他業界からの転職希望者が現場に入るためのサポートを行います。
⇒劇場新設等、新規人材募集の情報収集と提供を行います。


    【労働環境について】

  • 低待遇・不安定な労働条件
  • パワハラ、セクハラに近いものが散見される。
  • 組織が組織として機能していない、管理職が組織運営やマネジメントに長けていない。
  • 舞台芸術制作者に対する行政のサポート・法的整備の欠如
  • 現場のことを考えると、出産、育児、介護等さまざまな生活スタイルに対応しにくい、辞めざるを得ない。
  • 身体を壊し、心を病んで離職する人が多い。本来整備されているべきであるはずの休職制度がない、もしくはあっても実質的には使えないので、病気を発症すると仕事を続けていけない。

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒育休制度・休業制度など雇用者、労働者両側が使える制度や行政や公的機関サービスを紹介します。
⇒現状を把握するための舞台芸術雇用環境の調査、研究を行います。


    【キャリア形成について】

  • キャリア形成の道筋が描けないことによる人材確保の困難さ
  • 制作者自身にプロ意識が欠如している。
  • 30代、40代(90年代にこの業界に入ってきた世代)がフリーランスに転向、あるいはアートNPOに転職すると収入が激減する。そのため、若い世代だけでなく中間世代も活躍の場を見つけにくい。
  • 高い生産性を有するマルチな「総合職」や、高度な知識・技術・経験を有する「専門職」に対し、レベルが上がった事を評価する評価尺度、および評価された結果に対しての報酬の約束「インセンティブ」の仕組み確立が不十分。

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒在職者への専門スキルアップ研修・一般ビジネススキル研修のプログラムを提供し、また外部組織のプログラムの紹介も行います。
⇒アートマネジメント専門職に向けた講座、シンポジウム等の情報の収集と提供を行います。
⇒アートマネジメント専門職のキャリアアップに関して、様々な事例のインタビューを行います。


    【職能・専門性について】

  • 制作者に求められる職能が多すぎる。広報、票券、プロダクションマネジメント、プロデュース等、必要とされるスキルを分けて人材育成を行う必要性がある。
  • 環境の変化に対応した、制作者の評価制度の必要性
  • ルーティンワーク的な単純な業務から知識や経験が必要な高度な業務までレベルの幅が広く、それらの難易度の評価方法が確立されていない。一定の能力を評価する尺度となる資格および人材育成を兼ねた資格試験等が整備されていないため、評価が低く見られがち。
  • (行政系財団の場合)施設によっては「行き場の無い公務員のたまり場」と見なされ、人員配置されて来た経緯から、職務内容に対する評価が低く見られる原因の一つになっている可能性がある。
  • 職種によっては、偏見を持たれている、即ち「好きな事のみやっている」「謙虚さに欠ける」「気配りに欠ける等、対人姿勢に問題がある」「社会人としての常識に欠けている」「価値観に偏りがある」「自らの職種に対するプライドが高く、相手に対して態度が変わり、時には横柄」・・・・等という様々な印象を持たれ、評価を下げる原因の一つになっている可能性がある。
  • 今後、特定の分野に特化した「専門職」よりも、様々な職種を一定レベルで無難にこなし、少数メンバーで高い生産性を有する「総合職」が望まれる傾向にあるのに対し、「専門職」の気質として、職務内容に線を引き、仕事の幅を広げようとしない傾向がある。

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒アートマネジメント専門職の専門性について、必要となる職能の整理・言語化に取り組みます。
⇒アートマネジメント専門職の職能とその重要性について、アドボカシー活動を行います。


    【業界内ネットワークについて】

  • 様々な組織が実施している人材育成によって得られた知見が業界全体では共有されていない、現場に落とし込まれていない

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒業界内の様々な組織や団体とつながり、可能な限り情報やスキルを誰もがアクセスし、使える状況にしていきます。


    【行政・自治体との関係性について】

  • 行政・自治体サイドの意識の改革・向上の必要性

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒行政・自治体職員に向けて、アートマネジメント専門職の職能とその重要性についての理解を深めてもらえる機会を提供します。(=制作基礎知識講座の開催など)


    【その他】

  • (劇団・ダンスカンパニーサイドから見て)自分たちの活動を支えてくれる制作者とどのように出会えるかが分からない。制作者自体が不足している。
  • 全国的に見て、文化施設を含む老朽化施設の維持管理予算確保が困難になっており、超高齢化社会・縮小社会の到来、施設の休館・閉館の傾向と共に、人件費も今後更に削減される傾向にある。このことなどが原因で、業務を遂行するために必要な人員体制・人件費予算が確保されていない事が多く、より多彩な職種を少人数で効率よく、高い生産性を持って遂行する人材が求められる傾向がある。
  • 市場規模(マーケットボリューム)が明確でないが、傾向として、高度な「専門職」が能力を発揮出来る場所としては、予算に余裕のある自治体、即ち大都市や首都圏が有利であり、地方の施設の利用内容から推測すると、高度な「専門職」が必要なケースは全国的にはあまり多くないのではないか?

Explatでは以下のことに取り組みます。
⇒今後準備が整い次第「職業紹介事業」の資格を取得し、マッチングサービスに取り組みます。